性同一性障障害の診断基準と自己診断

自分の性別に違和感がある。という感覚を持ったことはありますか?

こんにちは!

『FTMつよしくんの気になる言葉を考えるよ』ブログにお越しくださいましてありがとうございます!

FTMという言葉の意味が分からない方はこちらの記事へどうぞ


今回は、実はあまりよく知られていない性同一性障害の診断基準や自己診断はできるのか?というようなことについて書いていきたいと思います。
  1. 診断基準はあるのか?
  2. 診断のガイドライン
  3. ガイドラインの内容
  4. まとめ
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明確な診断基準や判断基準があるのか?

結論から言いますと、明確な診断基準や判断基準は、ありません!

いや、一応偉いお医者さんたちが決めたガイドラインはあるんです。

性同一性障害というのは、それ自体が命に関わるような癌などの病気ではありません。

いわば、状態、に近いかなと当事者としては思いますね。

ですので、具体的に血液検査などをしてある数値が高いとか低いから性同一性障害であるだとか、そういう判断や診断ではないということです。

この状態だといろいろと精神的にきつい(ライトに言うと)、また、その精神状態で生活すると何らかの支障をきたす、というような感じでしょうか。これはあくまで当事者であるぼくの感覚ですが。

肉体的には健康です

支障をきたす部分も含めて精神疾患にカテゴライズされているのはまぁ、納得ですね。身体的にはいたって健康ですからね。その健康さが逆に精神を苦しめて支障をきたすという…生命体としてはポンコツ過ぎやしないかい?という感じですけれども(笑)

と言うのも、後程言いますが、ぼくらは脳も含めた身体が生物学的に完全に健康な女性(または男性)でなければ性同一性障害だと診断して認めてもらえないのです。なので、ぼくは生物学上、完全に『女性』です(誇らしげにw)

害と言う字は差別的だとか害があるわけじゃないとか言われていて最近は害を平仮名にして障がいと言う方が多いです
が、ぼくにとってはやっぱり害ではあるので、もう害で良いじゃんと思ってます(笑)そんなことどーでもいいわって感じです(笑)

どうやって気付くの?

って思いますよね?

こちらも別途で記事を書きたいなぁと思っているので詳しくは書きませんが、簡単に説明いたします。

先ほどもお話しした通り、癌などの病気ではないのでどこかに痛みが出るとか、そういった身体の不具合が生じて気付くというものではもちろんないです。

ぼくの個人的感覚から言うと、そもそも『気付く』という言葉自体が当てはまらない気がしてます。この言葉にはいつも違和感を持ってます。

ある日突然、『あれ?もしかして性同一性障害になった?』というような、風邪ひいた?みたいな感覚ではないのです(笑)

自分の性別に、つまり、『身体が持つ性別』や『他人からの自分に対する性別の観点での扱い』というものに『違和感』を感じる。

という感覚です。

違和感て本当に不思議な言葉ですよね(笑)

そして、『違和感』は言い換えれば『フィットしない』状態です。

心と身体が『フィットしない』

『フィットしない』って気持ち悪いですよね?それも年を重ねるたびに『フィットしない』具合が大きくなるとしたら…

太ったり痩せたりしたら、服のサイズを見直すか自分の体形を見直しますよね?それと理屈は一緒だと思います。

ただ、ダイエットやファッションのように気軽にすんなり納得できる案件ではないですが(笑)

ぼくらの場合は、どちらも治せるようなことではないからです。

だって、生物学上は健康な人間なんだから。

なので、恐らく大半の方は徐々に違和感に疲れ果て嫌悪し自分を疑い始め苦悩したその先に『性同一性障害』が待っているのではないでしょうか?

そういった意味では、ぼくにとって『性同一性障害』という概念は桃源郷のようなものかもしれないですね。初めから知っていたけど探すと出てこない、という意味でも。

診断のガイドライン

診断のガイドラインとは、正式には

『性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン』

というもので、日本精神神経学会 性同一性障害に関する委員会というお医者さんたちが作ってくれています。

性同一性障害の医療の歴史なども書かれているのでなかなか面白いです。おすすめ。

身体が持つ性別ではなく、心の性別で生きるというのはなかなか難しいことです。乗り越えるべき壁が多数ある。

それでなくても今の社会は、自らの心に従って生きるというのは非常に難しい設定であるように感じます(笑)

そういう時、事を有利に運ぶためには道順を知っておくというのが一番近道でしょう。

診断のガイドラインとはぼくらの攻略本です(笑)

ただ、これは当事者を縛るものではなく、当事者がきちんとした医療サービスや待遇を受けるためのもので、これに縛られるのは医療者です。なので、ぼくらはいつだってこれに従う必要はないと書かれています。

でも、当事者もこれをある程度指針にして行った方がいろいろすんなりいくし、自分の健康なども守られるので、ぼくは一旦このガイドラインを読んでみる方が良いかなと思いますね。

その通りにするしないを決めるのは読んでからでも遅くないですから。

ガイドラインの内容

ではガイドラインが示す診断の手順です。

  1. ジェンダー・アイデンティティ・の判定
  2. 身体的性別の判定
  3. 除外診断
  4. 診断の確定
これを2人の精神科医が行って両者とも一致して性同一性障害と診断することで診断は確定する。2人の精神科医の意見が一致しない場合は、さらに経験豊富な精神科医の診察を受け、その結果を改めて検討する。原則として診断をする精神科医のうち、少なくとも1名はGID学会(性同一性障害学会)認定医であることが望ましい。
引用:『性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン』日本精神神経学会 性同一性障害に関する委員会
2人の先生のとこに行かなきゃならんのかーーーーい!!と思いますよね。行かなきゃいけないんです(笑)
でも、注意書きとしてこうも書いてあります
なお、2人の精神科医の診断の一致を求めているのは、性同一性障害の治療に関して、ホルモン療法や手術療法など不可逆的治療を前提としているため、診断が確実であることを要求されるからである。身体的治療を前提としない通常の診断書の場合など、必ずしも2人の精神科医の一致した診断が必要とされるわけではない。この点については個々のケースに応じて判断すべきである。

引用:『性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン』日本精神神経学会 性同一性障害に関する委員会

つまり、身体的治療をするなら2人の先生に見てもらわなきゃいけないということですね。やったら戻れないですから、本人の一時の気の迷いでしたは通じないので慎重にということです。

詳しい内容の解説と、ぼくが受けた診察や検査などの体験談は別途詳しく書きますので、そちらをご覧いただければと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ちなみに、ぼくももちろん2人の精神科の先生に診察していただいて身体的治療の承認をもらっています。

どちらもこのガイドラインを作成している委員会の先生です。

日本にはGID(性同一性障害)専門外来というのが全国に何か所かあります。そこの先生は必ずこの学会の認定医です。

ぼくは病院に行くなら専門外来と決めていたので、死ぬ気で予約を取って(半年くらいかかった)行きました。

初めての診察(必死感w)で身体的治療を望む旨や今後の自分の動き(引っ越しとか)も話したので、一通りの診断を終えた後には先生おすすめの(全てGID学会認定医のいる)病院を教えてもらいまた自分で予約を取って(これはソッコーで決まったw)通院しました。

現在は当時よりは増えたのかもしれませんが、当時はGID専門外来はまだ数が少なかったので予約が取れない、電話すら繋がらないという盛況ぶり。

売れっ子アーティスト過ぎるだろうが(笑)

そういうこともあって、一件目の病院の先生に紹介状を書いてもらってすぐに予約が取れるという風にはできなかったみたいです。ぼくはわりと暇だったので二件目はすぐに行けましたが。

今はどうなのかわからないけれど、とにかく一件目の専門外来に行くことができたら、その後は通える範囲にある病院を先生が教えてくれると思うのであまり心配せずにまずは一件目の病院を探して予約を取ることを考えればいいと思います。

一件目、二件目って飲み会か(笑)

最後まで読んでいただきありがとうございます!!

この情報が誰かの役に立つことを、誰かの暇つぶしになることを願って。

では!!

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