こんにちは！
『FTMつよしくんの気になる言葉を考えるよ』ブログにお越しくださいましてありがとうございます!
今回は性同一性障害の当事者が地味に困っている問題、そしてそういう時のぼくの対処法。また、命の危険にまで発展する問題をお話していこうと思います。
今回のラインナップはこちら↓
- 個人情報登録問題
- 電話確認問題
- 保険証問題
- まとめ
個人情報登録問題
ぼくは良いのか悪いのか分かりませんが、とにかくパス度(ぼくの場合だと男性として認識される度合い)が極めて低かったので、ホルモン治療をするまではどこに行っても当たり前のように女の子扱いでした。
心の中では嫌だなと思いつつも、そういう意味で全く自分に自信がなかった為、レンタルショップなど身分をある程度証明せねばならない個人情報の登録が必要な会員登録では『女』の欄に丸をして登録していたんですね。
正直この世界のサービスを利用するのに性別なんて関係ねぇだろうがと思うんですが
なので、他のFTMやMTFの方もそうかもしれませんが新しい会員カードなどを作るってかなり色々としんどいんですよね。
いらんこと考えて気を遣って結局不本意な情報で登録しちゃう(笑)
別に気にしなきゃいいじゃんと思うかもしれないんですけど
それ気にしないならそもそも性別のことでなんか悩んでませんのでね(笑)
なのでぼくは性別の欄は何食わぬ顔で空欄にして出したりしてました(笑)
店員さんよ、もう君が決めてくれ…という気持ちですねwww
実際公的な登録でない限り、ちゃんとした戸籍なんてほぼ調べられないので好きな方に丸つけるか空欄のままで問題ないです。ぼくはそれでなにか言われたことは全くないので。そういった意味で、気にすることなかれ。
ちなみに、身分証のご提示をお願い致します。の時は車の免許証一択です。
地味に知らない方もいると思いますが、運転免許証は性別の記載がありませんので！！便利！！！ありがとう免許証！(笑)
個人情報登録問題二次被害
実はこの問題には二次被害があるんですよね(笑)
ぼくが勝手に二次被害って呼んでるんですけど
ホルモン治療を始める前に個人情報登録して、ホルモン治療を始めてから久しぶりにその『女』登録のカードを出すと、本当に犯罪者みたいな扱いで
『ご本人様以外のご利用はお断りしております。こちらどなた様のカードでしょうか』
って聞かれる被害です(笑)
そんなに怒ることないじゃないですか！(笑)
でも確かに女には見えないのでね、仕方ないので素直に言います。
『いえ…あの…本人です…』
申し訳なさそうに！(笑)
その方が相手も気持ちよく謝ってくれるし、色々と円滑に物事が運ぶ気がします。
大体は大変失礼いたしました！って言ってくれるし、『かっこいいですね』ってフォローしてくれます(笑)
もっと気の効く店員さんだと、登録時に間違えていたんだと判断してくれて『男性で登録し直しておきます』と言ってくれたりします。
優しい。ありがとう。分かりにくい性別でごめんなｗｗ
いい気分ではないですし、言ってやりたいことも多々あります。
でも、本当にこればかりは仕方ないことで、相手もぼくも誰も悪くないんですよね。だから、あまり気にしないのが一番だとは思います。
それこそ本当に戸籍が女性のままであっても男性で登録することは可能ですので。昔、なにかのテレビ番組ではるな愛さんが、アパートを女性で登録して借りていたと言っているのを見たことがあります。
アパートも借りれるならCDやDVDくらい借りれるだろ！！！と勇気付けられた記憶がありますね(笑)
なんだかんだ、どっちでも大丈夫なんですよ、きっと。
もったいないのは、そんなこと気にして利用できるものや大好きなことを自ら制限してしまうことだとぼくは思います。ぼくたちは何も間違ってないし、何も悪くないんですから。若干世間とずれているだけです！(笑)
電話確認問題
これもわりと問題です。
例えば、クレジットカードなどの問い合わせ時。
やっぱり決まって、『ご本人様をお願いできますでしょうか？』って聞かれます。
携帯なんだからご本人様以外が出る可能性の方が低いでしょうよって思うんだけど
やっぱり声が女だとは思えないんでしょう。
『あ…えと…本人です…』
得意の、申し訳なさそうに！！！(笑)
でも、最近はぼくのような人が増えているのか、対応も手慣れていて
聞き方も、ご本人様でよろしいでしょうか？って聞いてくる方が多いように思います。
一度だけ、ホルモン治療をしていて…と詳しく話したことがあったのですが、ご説明いただきありがとうございます。と丁寧に言ってくれました。三○住○銀行さん、ありがとう。(笑)
やっぱりこういうやり取りの中で嫌な思いをするのはこちら側なんですけど、それで相手を責めたり、だから嫌なんだって逃げたりするのは逆にぼくらの立場を悪くするように思います。
どうしてもカテゴライズされてしまうから。
やっぱりセクシャルマイノリティの人って…みたくなるのは嫌だもんんね。
肌に合わないルールの中で生きるのはなかなか不便ですが、できる限りの努力をしないと変わるべきルールも変わらないし、何よりもぼくらの正しい主張がただのわがままとして扱われかねないと思うので
愚痴はもちろん吐きますが（だからブログ書いてる）自分に出来る努力も忘れないようにしたいとぼくは思っています。
あとは、感謝も忘れずにね。
保険証問題
FTMやMTFの方で保険証を出すのが嫌で病院に行くことを躊躇っているという方は多いと思います。
かくいうぼくもとても嫌です。
免許証は性別の記載がないと言いましたが、健康保険証はバッチリ記載してあります。
以前、風邪を引いた際に病院に行って保険証を出したところ、よく見ずにぼくを見て男と判断して処方せんを出されたことがありました。
薬局で薬剤師の方が『ん？』となって病院に連絡を入れて…みたいな面倒なことになったことがあるのですが
あの時は本当に気まずい思いをいたしました。(笑)
でも、それでもぼくは自分がしんどいのが嫌なので、なるべく迷わずに何も考えずに病院に行きます。
というのも、性同一性障害の方が保険証を出したくなくて病院に行かず手遅れになって盲腸で亡くなるという話を聞いたことがあるからです。
これは母親に言われたのですが
『嫌なのはわかるけど、本当に大切なことはそれじゃないと思うから』
と。
その時は、そうだよね。くらいにしか思ってなかったんですが
命がけのアイデンティティ
つい先日、ぼくの大切なお友達でAKBのオタク繋がりで知り合ったFTXの方が、亡くなってしまいました。
理由は、ずっと具合が悪かったのに保険証も出したくないし、行かなければならない場所が婦人科だった為にしばらくごまかしていたら手遅れになってしまったということでした。
詳しい病名などは聞いてないですが、恐らく子宮がんのようなものだったのだと思います。
入院したと聞いて、なんだか嫌な予感がしたので会いに行って本当にビックリしました。
体格のよい大柄な方だったのに、別人のように細く小さくなっていて。
言葉が出なかったです。
本人は知っていたのか知らなかったのかわかりませんが、治ったらご飯に行こうと誘ってくれて、ぼくは待ってますからねとしか言えなくて。
本当にこんなことがあるのかよと思いました。
それもその人の寿命で運命で人生だったのかもしれないけど
悔やんでも悔やみきれないって初めて思いました。
AKBが好きなのに、お土産に欅坂の特集がされている雑誌を持っていったら優しく笑って喜んで、あなたらしくて嬉しいって言ってくれたのが忘れられないです。
まとめ
いかがでしたでしょうか？
地味に困っている人が多い問題ですが、本当に最悪の事態にもなりうる問題だということが伝わっていたら嬉しいです。
ぼくは保険証に性別を記載することを責める気もないし、でも友人の行きたくなかった気持ちも痛いほどよく分かるつもりです。
ぼくには何もできなかったけど、友人はとても責任感の強い優しい人だったので
今も元気であればきっと、同じように苦しむ人が少しでも少なくなるように、大声で『苦しかったら早く病院に行ってください！』と言い続けると思うので、代わりにと言ってはなんですが、ぼくが伝えていきたいなと思いブログに書かせていただきました。
ぼくの母が言っていた言葉がいつも頭をよぎります
『嫌なのはわかるけど、本当に大切なことはそれじゃないと思うから』
生きているから辛いことも不便なこともあってもう嫌になってしまうんだけど
生きていなければ何も変わらないし変えられないんですよね。
目の前の小さな出来事、言葉や既成概念に惑わされないで、苦しいときこそ本当に大切なことを思い出して生きましょう。
ぼくもまだまだ弱くて逃げ出すことが多いんだけど
それでも少しずつ進んでいきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願い致します。
FTMつよし